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2019年、PRが変わる ― デジタル時代に適応したコミュニケーション設計とは

2019年が始まり早2ヶ月。世の中では「平成最後」という謳い文句が飛び交い、企業、メディア、消費者ふくめ、日本全体が時代の転換点に向かって盛り上がりをみせています。

2018年は、Instagramのユーザー数がFacebookのユーザー数を超えたり(*1)、2018年のメディア総接触時間(1日あたり・週平均)が過去最高になったりと(*2)、メディアを取り巻くニュースも目立ちました。

ますます複雑化するコミュニケーション業界において、PRはどう変化していくのか、弊社の代表取締役兼CEOである太田に聞きました。

PRで重視すべきは、“量”ではなく“質”

― 2018年は、コミュニケーション業界にとってどんな年だったでしょうか?

以前から言われていることではありますが、PRと広告の境界が希薄化していることは明らかです。消費者や顧客との接触チャネルが多様化し、従来のメディアプロモートだけでは、消費者や顧客にメッセージが十分に伝わらなくなっています。PR会社にご期待いただくことも、メディアプロモートの実施だけでなく、コンテンツマーケティングや動画広告なども包括した、統合的なコミュニケーション施策が多くなったと感じます。

また、国内のInstagramのユーザー数が、ついにFacebookのユーザー数を超えるなど、ソーシャルメディア関連の話題が多かった一年でした。2018年のカンヌライオンズで「ソーシャル&インフルエンサー」部門が新設されたことからも、ソーシャルメディアの重要性が世界的にみても大きくなってきていることがうかがえます。

― そんな変化の中で、あえてPRと広告の違いをあげるとしたら、どのような部分になりますか?

“量”ではなく“質”の高いコミュニケーションで態度変容を促す点ではないでしょうか。私は、PRの本質的な価値は、量ではなく質だと考えています。そこが広告と最も異なるところで、広告は視聴率やユニークユーザー数といった「何人にリーチしたか」といった量的価値で効果を測定することが多いですよね。一方、PRはファクトベースと第三者発信、情報波及という要件を満たすコミュニケーションです。ファクトがどのような論調で第三者から発信されたか、その内容はどれだけ口コミやメディア間で情報波及したのかといった質的価値で効果をみていくのが適切です。

― 確かに、記事や報道、SNSでシェアされた投稿を見て、どこかに行きたくなったり、商品を買いたくなったりしますよね。

はい。意識変容や態度変容 ― 言い換えると、心を動かし、行動にうつすための熱量を高めるコミュニケーションが、PRの本質的な社会的意義ではないかと思います。社会というのは、生活者だけではなく、記者、メディア、インフルエンサー、株主、従業員、パートナー会社といった企業に関わるすべての方々を指しています。リアルなファクトを軸としたコミュニケーションで、すべてのステークスホルダーの心を動かすことがPRの持つバリューだと考えます。

いまPRに求められているのは、“PR起点の統合型コミュニケーション”

― 2019年のコミュニケーション業界はさらに複雑になりそうです。PRに関わる方からは、どういう戦略を立てればよいのかという悩みも多く聞きます。

コミュニケーションの鍵は、“熱量をどのように高めるか”だと思います。冒頭に述べたように、マスメディアに出ることがPRのゴールとされた時代は終わりつつあり、PR領域にも広告やSNS、イベント、店頭なども包括した統合的なコミュニケーション施策が求められていくのは自明の理です。ただ、単にPRと広告を統合すればいいということではなく、あくまでもPRを起点とした「ファクトベース、第三者発信、情報波及」の統合型コミュニケーションを組み立てることが重要です。

このような背景をふまえ、ビルコムの2019年方針として「統合型PRで社会の熱量を高める」ことを掲げました。私たちビルコムは、PRを起点としたコミュニケーションを15年前から追求してまいりました。15年前と比べて、一方的な情報発信を生活者が嫌う傾向は強まっており、PR起点のコミュニケーションが効果的な世の中になっています。このPR起点をベースに広告との統合をさらに加速させ、お客様の事業成長に貢献していきたいと考えています。

デジタル隆盛のいまだからこそ、リアルイベントがPR活動の鍵となる

―では、 統合型PRの中でも、今後特に重要になるカテゴリーはありますか?

情報収集やコミュニケーションの手段が複雑化している時代だからこそ、リアルイベントが大きな力を発揮するようになると考えます。すでにそのような傾向は見受けられていて、実際に、2018年にビルコムがPRをご支援させていただいたお客様の中でも、リアルイベントがPR活動の重要な鍵となるケースがありました。

私は、そこには「体験消費」が大きく関わっていると考えています。これは、SNSの浸透により数年前から注目されている消費行動です。SNSで多くの人が投稿するのは、モノ自体の消費ではなく、物質的な欲求から派生して得られる「体験消費」が多い。自身の体験を共有する傾向が非常に強いのです。そのような背景から、2019年は“体験”を消費者に提供するリアルイベントの重要性がますます高まっていくと考えられます。

― リアルイベント、PR、広告の3つの施策は、これまでバラバラに行われることも多かったように思います。今後はこれらをどのように組み合わせるのがよいでしょうか?

情報伝播の順番が重要で、まずはリアルイベントを実施し、それからPESO(Paid、Earned、Social、Owned)メディア、さらにはその反応を可視化したデータを活用した広告配信へと展開していくのが有効だと考えます。

ビルコムではこれを「シャンパンタワー型コミュニケーション戦略」モデルと呼び、フレームワーク化しています。これは、グラスをつたい次々にシャンパンが溢れてくるシャンパンタワーのように、情報を伝播させて大きな話題を生み出す戦略を表したものです。

ターゲットが熱狂的に支持するインフルエンサーやメディア=ホットセグメントにまず情報を発信してもらい、次のセグメントであるソーシャルメディアやWebメディアへ、さらに次のセグメントであるマスメディアへ、という流れを表しています。

2019年はこのホットセグメントに、リアルイベントを位置づけたことが大きなポイントです。ファクトをベースに、特定のターゲットに発信したいコンテンツを、まずはリアルイベントに展開して熱量を着火させるのです。こうして発生した口コミや記事などの“熱量”を、PESOメディアで多面的に一次伝播、さらにデータを活用した広告配信に活用するなど、従来の「PR」と「広告」手法を融合した手法で広く伝播させていきます。

― 「熱量を高める」ことができたかどうかというのは、主観的な判断にもなってしまいそうです。効果の測定は、どうしたらいいんでしょう?

確かに、客観的な指標がなければ、その判断は主観的かつ属人的なものになってしまいます。ビルコムでは、PR Analyzerをはじめとするソフトウェアを独自に開発し、それらを活用して熱量を可視化しています。例えば記事露出であれば、リーチ数の測定はもちろん、それらがどの程度ソーシャルに波及したのか、論調はどうか、という複数の指標を測定し、波及の熱量を可視化します。その分析をもとに適切な打ち手を検討・実行することで、確実にメディア、インフルエンサー、生活者の熱量を高めていくことができます。データで可視化できる手段を持っていることは私たちビルコムの大きな強みですし、お客様の事業に貢献できる何よりのポイントであると考えています。

PRにはできることがまだまだたくさんあります。PRは枠や手法にとらわれない強さと自由がありますし、まだ世に出ていない原石のようなファクトを輝かせることができます。しかし、その力が社会全体に十分に浸透しているとは思っていません。どんな企業でも、どんな人でも、PRで社会の熱量を創り出せる世界にすることは、ビルコムの使命のひとつでもあると考えています。「統合型PRで社会の熱量を高める」。これを合言葉に、2019年もビルコムは一丸となってお客様の事業に貢献してまいります。


(*1)出典:日本経済新聞「インスタグラム、国内月間利用数2900万人に」2018年11月1日

(*2)出典:博報堂DYメディアパートナーズ「メディア定点調査」


<プロフィール>

太田滋(おおたしげる)

ビルコム株式会社 代表取締役 兼 CEO。1976年生まれ。オーストリア共和国ウィーン出身。経営管理修士(MBA)。Stanford-NUS Executive Program in International Management修了。

株式会社アイ・エム・ジェイ、ソースネクスト株式会社を経て、2003年にビルコム株式会社を創業。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科博士課程に在籍中。著書に『WebPRのしかけ方』『広告をやめた企業は、どうやって売り上げをあげているのか。』(ともにインプレス)がある。アドテック東京等、登壇実績多数。


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