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「リスクテイク」したアラフォー3人・・・社員8人のフルカイテンを選んだ理由とは

南…南昇平(写真中央)=大阪勤務。産経新聞社で記者歴18年。妻と2男の4人家族
河…河手渉(写真左)=大阪勤務。前職はマーケティングロボットのロックオンで営業。妻と1男1女
宇…宇津木貴晴(写真右)=東京勤務。クラウド会計ソフトのfreeeに2019年6月まで勤務。
趣味は2歳半の息子と遊ぶこと
宮…宮本亜実(司会者)=大阪勤務。フルカイテンを創業時から支える

リテールの在庫問題を解決するSaaS企業フルカイテン株式会社に2019年6~7月、3人が入社しました。大手新聞社や有名企業からの転職で、しかも2人は今年41歳、残る1人も37歳というアラフォーです。傍から見ると「リスクを冒す無鉄砲者」ですが、本人たちは全くリスクだと思っていない様子。そんな3人が、社員わずか8人のスタートアップを選んだ理由を座談会で語ってくれました。


「絶対にIPOできる」と確信

宮 なんでフルカイテンを選んだん?

河 転職活動をしてたわけではなくて、営業ツールとして転職支援サイトを使ってたら、フルカイテンからスカウトメールを受け取ったのがきっかけ。これは面白い会社やなと。ホームページの「40代 いぶし銀のスタートアップ」という言葉がグッときた。「でかい漢(おとこ)になる」という行動指針もね。フルカイテンのサイトを見ながら、このままズルズルと営業をやっていくのか、別の会社に行ってマーケティングをするのかと考え出したんよね。これだけ魅力的なサービスを提供してる会社でマーケができるのなら、と気持ちが傾いていったね。

南 最初にトニーさん(岡本亨:https://www.wantedly.com/users/88971247)に会ったんよね。どんな印象やった?

河 トニーさんは言葉がすごく研ぎ澄まされてて、選んで発言してるなと感じた。ノリでワーワーと言うんやなくて、考えたうえで話してるのがすごく伝わってきて、すごい着実やと。こういう人と一緒に仕事させてもらえたらなと。

宮 こんなちっちゃい会社で、不安やったんちゃう?

河 関西で営業するなかで「この会社すごいな」と思った大企業の一つがキーエンス。製品の戦略とかがすごいねん。でも僕は大きな組織の中で一翼を担ういうよりも「僕がおれへんかったら上場できひんかった」くらいにもがき苦しむ方がええわと。僕のキャリアで1社目と2社目はどっちも在職中に上場を果たしてん。2社目で上場した後の社員総会で、役員が泣きながら話してたんや。マンションの一室から創業して苦労したからね。僕自身はそれだけの苦労はしてへんから、そこまでの感動は感じられへんかったけど。フルカイテンでそういう場に立ち会えるんちゃうかなと。

宇 フルカイテンもIPOできそうだとどの辺りで感じたの?

河 「この会社は行けるんちゃうかな」という嗅覚、大きくなっていくやろなという直感があったわ。ビジネスモデルにしてもサービスの中身にしてもね。

南 IPOを目指すうえでの自身の役割と、自身がどう成長していくかがはっきりと見渡せたから不安はなかったと。

河 そういう意気込みやわな。だから営業計画も作って数字を落とし込んで面接に持って行ったし。僕の父はいわゆる大企業から独立して一人でやってるから、小さい会社に対するネガティブなイメージが無かった。むしろそっちの方がいいくらいやわ。

新聞記者が入ったら面白い


宮 南さんはどうやった?

南 僕は転職支援サイトを通じて応募したら書類選考を通って面接に呼ばれた。求人票に「在庫適正化と売上増加の両立を目指すクラウド」と書いてあったけど、そんなんトレードオフやから絶対ムリやんて。それを実現するクラウドサービスなんて、絶対ニッチでオンリーワンやなと思ったんよね。スタートアップで広報を募集するということは、かなり伸びしろがあんねんなとも感じたし。

宮 面接に来てみてどうやった?

南 事務所に入ってみて「えっ」と思った。社員は皆さんまだいてて、会議室も何もない、同じフロアでやるから「会話ぜんぶ聞かれるんかいな」と(笑)。ホームページの写真の印象から、瀬川社長はぜったい怖い人やと思っててん。恐怖とリーダーシップでガンガン社員を引っ張ってんねやろんなと。でも話してみたら、全然そんなことなくて。人の話をよく聞いてくださるなあと。何を話したかあまり覚えてへんねんけど、こんだけ素晴らしいものを提供してんねんから、分かりやすい言葉で分かりやすく伝えたい、伝われへんかったら意味ないみたいなことを話したと思う。でも、採用されるとは思ってなかった。

宮 えっ、そうやったん⁉

南 求人の応募資格には必須スキルとして「IT業界での広報またはPR経験がある」「IT業界での法人営業の経験がある」と書かれててんけど、僕はどれにも該当せえへんから。ただ、記者として企業取材のなかで広報との濃い付き合いは長くやってきたというふうに経歴書には書いてたけども。僕を採ること自体、瀬川社長にとっては冒険やったと思う。広報って結果が出ないこともあるし、結果が出るまでに時間がかかることもある。それでも精一杯やるのは当たり前。経営者やったら、普通は広報の実務経験やPR会社での勤務経験がある人を採りたがると思うよ

宮 瀬川さんは「おもろい」言うてたけどね。新聞社の人が来たら面白いと。「おもろい人やったわ」と。

南 そうやったんですね。

宮 社員は40代ばかりで、その辺りはどう思った?

南 扱うものの性質を考えれば、若い人にはしんどいんちゃうかなと。営業先も社長や決裁権をもつ役員クラスが出てくるし。30代後半以降の方が営業しやすいと思う。あと、僕は社会人になってから日商簿記1級を独学で取ってたから、求人票に書かれてた在庫分析の重要さを理解できたから応募したんよね。そこんとこを理解できひんかったら応募してなかったと思う。僕は運がよかった。けど、裏を返すと、分かる人しか応募してくれへんちゅうこと。それはフルカイテンにとって機会損失やろね。米国なんかは高校生から金融教育をして複式簿記も学ぶ。日本でももっと実業に関する教育があってもいいんと思う。小売りって生活に密接にかかわることやし、物を仕入れて消費者に売る、その過程で在庫は必ず生じるというメカニズムを少しでも子供たちに理解してほしいね。

宮 確かに、大人でも理解してない人は少なくないと思うわ。私も消費者側やったから分かる。自分でECに携わる前は、「送料無料!? 嬉しい」って思っててん。でも、送料は誰かが負担してるんよね。自分が物を売って利益を計算する立場になって初めて気付いたわ。1000円のレギンスが10枚売れたって喜んでんねんけど、1万円の服を一つ売る方が利益が大きくて、要領が良いんやと。でも売る側はどうしても「何枚売れた」「何件注文が来た」ってそっちばっか見てしまう。フルカイテンはその発想を変えるところから始まってるからね。

南 本当に偶然が重なった末の入社やった。縁ですよ。

宮 1カ月経ってみてどう?

南 メディアに記事を書いてもらうのがこれほど大変なのかと実感してる。前職時代、中小企業の取材を担当してた時期もあって、仲良くなった社長から別のベンチャーや中小企業を紹介されることも多かった。ほとんどのケースで記事を書いてぜんぶ紙面に載ったという経験があったけど、全ての記者が僕がしてたようにしてくれるわけちゃうし、難しいね。

家族を説得する秘策とは

宇 南さんがフルカイテンに転職したっていうのは、滅茶苦茶インパクトがあるよ。でかい新聞社で記者を20年近くやって、しかも支局次長までやってた人がね。

宮 リスクしかないよね(笑)

宇 僕らがスタートアップに来るという行動は不思議じゃないんだよ。でも南さんは全然違う業界に入ってきたから

宮 面白いよね。何で?っていう突っ込みどころしかないわ。

南 新しいことに挑戦せなあかんという危機感かな。新聞業界は先細りで、大手メディアに属していても若い人たちは浮足立ってるわ。そういう中で、今のまま記者を続けられるんかな、いう危機感があった。

宇 でも、みんな怖いじゃない。他の業界に行くっていうのは。

南 確かに。人間心理には現状維持バイアスがかかるし。

宮 家族の方は何も言わんかったん?

南 特には。でも、転職をめぐって「嫁ブロック」という言葉があるのを知った。妻が猛反対するケースらしいね。だから僕は昨年末に妻の親元へ帰省したとき、妻の母に根回ししたよ。

(全員大笑い)

南 妻より先に義母へ、転職を考えてる理由とか見通しを丁寧に説明したんよね。そのうえで皆に相談したけど、義母は初めて聞いたふりをしてくれてたわ。家計のバランスシートもエクセルで作って見せたりして。

宇 奥さんは大丈夫だったの?

南 話を聞いて、基本的には応援してくれた。体を壊さないのが第一や、ってね。

宮 へえーっ。

南 でも前の会社には新卒で入って18年、社会人として育ててもらったから感謝の気持ちしかない。これは率直な気持ち。やはり育ててもらった大阪に恩返ししたくて、大阪の会社を探してたらフルカイテンに出会った。縁やね。


ミイラ取りがミイラに



宮 宇津木さんは瀬川さんの記事をあるサイトで読んだのがきっかけと聞いたけど。

宇 そう。前の会社で「これは絶対に読もう」って社内にシェアしたんだよね。前の会社では採用を担当してたから、どういうスカウトメールが来るのかとか研究するために転職支援サイトに登録してたんだけど、記事をシェアした1週間後にそのサイトからスカウトが来た。その時は転職は考えてなかったけど、「これはもう、話を聞きに行くしかないな」と。運命だと思ったね。

南 瀬川社長は宇津木さんが自分の記事を読んだとは知らんかったの?

宇 知らなかったんだよ

宮 瀬川さんの記事をシェアしたのはどうして。

宇 前の会社も営業の対象は経営者さんたち。でも前の会社は若いメンバーが多くて、みんな経営も会計もあまり知らないんだよね。リアルを知らない。でも瀬川さんはリアルを知っている。倒産危機を3回も乗り越えたんだから。「これが経営のリアルだ」「とにかく読め」ということでシェアした。あと、経営者を支えているのは奥さんだっていうのをマーケティングの策としてやろうということになって、あの記事でも同じことを説いてたから。

宮 社内でその記事の反応はあったの?

宇 けっこうあったね。みんな「すげー」と。「あれ、ここトニーさんいるぞ」とか(笑)

宮 次は「ハルさんフルカイテン行ったぞ」ってなるかな(笑)

宇 なったらいいね。瀬川さんは僕のレジュメをめちゃくちゃ読み込んでたんだよね。すごく細かいところまで。そんな人はあまりいないから、誠実さを感じてしまった。正直、在庫問題を解決するソリューションとか業界のこととか、入社する前に調べてなかった。それでもフルカイテンが良いって思ったのは、トニーさんにもスグルさん(加藤卓:https://www.wantedly.com/users/49666094)にもお会いして、「仮に今のサービスがうまくいかなかったとしても、この人たちなら別のサービスを成功させられる」って思ったから。

宮 ウチのメンバーたちやね。

宇 はい。でも、僕は嫁ブロックが半端なかった。

(全員爆笑)

宮 でも私、瀬川さんにアドバイスしたよ。「奥さんのこういう不安に対しては、こう書いたらいいんちゃう」とか。

宇 うん、瀬川さんからもらったレターの内容が説得材料としてめちゃくちゃ役に立った。

宮 そりゃ、奥さんからしたら不安やわな。

宇 前の会社でも、日付が変わるころ帰ってきて夜中3時まで家で仕事して朝に出勤するというような生活が最初の2、3年は続いたんだよね。ようやく落ち着いてきたところだったから、妻からしたら「ようやく家にいてくれるわ」と感じてたと思う。それが、なんでまたそんなとこに行くの、と。

宮 お子さんも小さいしね。

宇 そう。なので、妻向けに30枚からなるプレゼン資料を作ったりしたんだよね。

宮 その資料、見たいわ!

宇 けっこう色んな事柄を入れてるから勘弁してください(笑)


南 河手さんも家族からはそないに反対されへんかった?

河 うん、何とかするんちゃうか、みたいん感じで。

宮 それぞれ決めた理由にはドラマがあるね。アラフォーっていうと、最後の転職というイメージがあるけど。

宇 僕ら3人って、傍から見ればすごいリスクを取ってるけど、僕ら誰もリスクって思ってないよね

南 確かに!

宇 社員8人の会社に入るというのは、100人に聞いたら99人は「リスク」だと答えるはずだよ

宮 そうやんね。

南 でも、この社長で、このビジネスモデルなら、ぜったい伸びるやろ。

宮 大企業の中にも、冒険したいけど不安で踏ん切りがつかないという人は多いの? そういう人が応募してきてくれたら嬉しいわ。

宇 メガベンチャーにはそういう人けっこういるんだよね。色々やってきたけど会社の規模がある程度大きくなって人も増えてきて、つまらなくなってきたと。

宮 なんだかんだ言って苦労が楽しいんやろね。

河 僕がいま転職を考えている立場やったら、家族への根回しの仕方とか知りたいな。

宮 次は、踏ん切りが付かないアラフォーの皆さん向けに、「嫁の説得マニュアル」とかについて話し合いましょう!

(了)

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