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【組織と技術 #4】「デザインの力がプロジェクトを前進させる」- UIデザインディビジョン座談会

トライフォートの組織は、技術領域(職種)で分かれたディビジョンという縦の組織と、プロジェクトごとの横の組織を掛け合わせたマトリクス型で運営しています。
「組織と技術」では、毎回1つの組織をクローズアップし、組織の役割や取り組み、所属するメンバーについてご紹介します。

第4回目は、デザイン統括下の組織「UIデザインディビジョン」をご紹介します。


はじめに、UIデザインディビジョンがどういう組織なのか教えてください。

TSUTOMU:
UIデザインと聞くと、バナーやロゴのデザインを思い浮かべる方もいるかと思いますが、本来のUIの意味、ユーザーインターフェースは「人とモノが繋がる為の通訳役」を指します。

また、UI/UXと二つの概念を一言で表現する言葉がひとり歩きしてしまっている傾向がある為、そのふたつを混合して理解してしまっている人も多いのですが、UIはUXという大きな軸の中にある一部です。
トライフォートのUIデザインディビジョンでは、デザイナーとしてUI部分のクオリティを追求することで、UXのクオリティを担保することをミッションにしています。
人が体験すること、感じること、意識すること、好むことなどを視覚・聴覚・触覚などでコントロールするのがUIなのだという考えから、UXを実現する為のUIでいられるよう、画面作りからバナー等の画像まで意識した制作を心がけています。

確かにUIとUXはひとつの言葉で表現されることも多いですよね。
私自身も混同しがちだったのですが、具体的にはそれぞれどのような概念、領域なのでしょうか。

TAICHI:
UIはUXに含まれているという表現が適切かもしれません。
UXというのは、ユーザーがサービスや商品を通して体験する全てのことを指します。

ATSUSHI:
ここにあるペットボトルのお茶で説明すると、購入する前から飲み終わったあとまでに体験するすべてのことがUXにあたります。その中で実際に購入してユーザーが目にして手に触れる部分、例えば、ペットボトルの持ちやすい太さやカーブのデザイン性、キャップのあけやすさ、外から中身を見せたほうが良いか、内容量は適切なのか、パッケージデザインはどんな印象を持つか、など諸々加味した機能性の部分がUIにあたります。UIはUXの一部であり手段の一つですね。

TSUTOMU:
それから、「デザイン」も同様に誤解されやすい言葉かもしれません。
日本の、特にゲーム業界では意匠やビジュアルといった意味合いで使われがちですが、デザインを辞書等で直訳すると「設計」という単語になります。
「え?設計?」と思うかもしれませんが、デザインという単語が本来持つ意味は「目的を実現する為に考えてそれを形にする(=設計)」というものなので、グラフィックを描くこととは別の軸にあります。
ぼくらUIデザイナーにとっての「目的を実現する」がUXの担保にあたるので、その為の一手段として、グラフィックをおこす、レイアウトする、等の業務を行っています。

そのために、プロジェクト内でも、企画メンバーやエンジニアメンバーと密にコミュニケーションをとりながら、議論しあい、どういうものを作るのか舵を取る役目をすることも多いです。
UIデザインディビジョンの今期の目標としては「プロジェクトの推進力となる」ことを掲げていますが、ユーザーと作り手の間に介在しながら、プロダクトのデザイン面のクオリティを高め、プロジェクトを前進させることをミッションとしています。



UIデザインというと、「見せる」部分のクオリティを担っている印象を持っていましたが、チーム内やユーザーとの連携も非常に重要なんですね。
プロジェクトの数も多いですが、それぞれどういった体制で業務を進めているのでしょうか。

TSUTOMU:
まず大枠の話をすると、プロジェクトはゲーム開発事業とサービス開発事業に分かれているんですが、うちのディビジョンは、ゲーム開発、サービス開発共に各プロジェクトをそれぞれリードメンバーをつける体制をとっていて、それぞれの領域を比較的自由に任せています。

サービス開発は少人数のプロジェクトが多いので、全プロジェクトをTAICHIさんに管轄してもらっています。ゲーム開発は主にある程度人数が多いプロジェクトが多いので、1プロジェクトに1名リードを置いていますが、中でもATSUSHIさんには主に複数デザイナーが必要な新規開発プロジェクトでリードとしてデザイン全般とメンバーのメンター的な役割、GUCHIさんには運用プロジェクトと、ディビジョン内のフロー構築や新卒メンバーの育成まで幅広くお願いしています。
具体的な話は本人たちから直接話してもらったほうが良いと思うので、順番に話していただいても良いですか?(笑)

TAICHI:
急にこちらにふられましたね(笑)
自分はサービス開発部のプロジェクトを全て管轄していますが、実作業に関しては、それぞれのプロジェクトにメインデザイナーをつけて対応してもらっています。自分自身もプロジェクトのメインデザイナーを担当として手を動かしつつ、新規プロジェクトが立ち上がれば初期設計や要件のフェーズから関わっています。

サービス開発部のプロジェクトは受託のtoC向けアプリやWEB開発が中心ですが、初期企画の段階から関われるものが多いので、エンドユーザーの視点にたって、クライアントの要望から、コンセプトを固めていくことを心がけています。受託案件でも、受け身にはならず能動的な動き方をするように意識しています。

リーダーの立場としては、プロジェクトはどれも比較的少人数制で、UIデザイナーは1プロジェクトに1人の体制がほとんどなので、メンバー同士が連携やノウハウ共有をできるようにというのは特に重視していますね。
自分の発案で、月1回勉強会も行っていて、今はUIトレースという手法で、既存のサービスのデザインをトレースし、アプリやサービス自体の構造を理解するというようなプラクティスを各メンバーにやってもらっています。若いメンバーが多いので、このサービスはどういった意図を持って作られているか、ユーザーに伝えたいことは何かということをデザインから逆発想で考えてもらうことで気づきもあり、知見もたまりますし、チーム全体のレベル上げにも繋げることを目的としています。

ATSUSHI:
自分はトライフォートに入ってすぐに、新規開発中のゲームプロジェクトに途中から入り、今は今年の春から開発が始まった別の新規プロジェクトでUIのリードデザイナーを務めています。
ゲームはサービスに比べるとプロジェクト規模が大きく、開発フェーズだとUIデザイナーだけでも3~4人、全体では20~30人超の規模になります。そんな中で、自分が一番意識しているのは他職種のメンバーとの連携の部分です。
TSUTOMUさんも触れていましたが、UIは一番根幹の部分に「連携」が関わっています。

トライフォートのゲームプロジェクトはUXの部分をプランナーが考えることが多いんですが、プランナーの考えたUXを具現化してビジュアルを作るのはUIデザイナーの役目です。0ベースから、まだ他職種のメンバーが理解していないこともいち早く理解し、概念を具現化し、全員の認識を合わせるために、キャッチアップとアウトプットを正確、且つスピーディーに行う必要があります。
また実際に動くように実装してくれるのはエンジニアになので、具現化した内容をさらに正しくエンジニアに伝える役目も担っています。他職種の間の橋渡し的位置にいるので、ゲームの全てを把握し理解している必要があります。
よりスムーズに連携するためには、他のメンバーともツーカーの関係になっていることも重要なので、とにかくコミュニケーションを密に取るようにしています。特に新規開発だと、それまで関わりの薄かったメンバーが集まってプロジェクトを進めることになるので、最初が肝心ですね。自分も率先してチームビルディングを推進するように心がけています。

育成の部分では、プロジェクト内の話にはなりますが、下についているメンバーには、新規開発の運用のイロハの部分や見せ方の部分のノウハウを教えるようにしています。個人的に、「実務に勝る勉強はない」と考えているので、一つ一つを丁寧に教えるというよりは、自分の背中を見せつつ、実践させてみる形です。開発を一人でできる状態に育てていきたいと思っています。



GUCHI:
僕は入社してからずっと、長期運営中のゲームプロジェクトに関わっているんですが、やっぱり新規の進め方とは意識するところが少し違いますね。

運営フェーズが長いプロジェクトだと、どうしても「定型」のようなものが出来てきます。例えば、クリスマスならこんなデザイン、月間のイベントだとこういうデザインといった感じです。
とはいえ、運用は日々進化していかなければ、飽きられてしまうので、刺激を与える必要があります。
決まったアイテムの画像を変えたり、デザインの配置を変えることで、見える部分で変化させないといけないのですが、全く違うものになってしまえば、そのプロジェクトのファンの方々が離れてしまいます。慣例にとらわれず打破の精神を持ちつつ、イメージを損なわないデザインを心がけています。

それから、これも「運営フェーズあるある」ですが、何年も長く運営していると、どうしても人の入れ替わりがありますし、業務のフローも何度も変更していたりします。自分が今のプロジェクトにジョインした際も、そんな変化の中で、運用フローが整理できてない部分が目立ち、フローがないため職種間で連携しづらい状況が生まれてしまっていたので、まずはそこにメスを入れました。
業務フローの設計、整理し、職種を超えて動きやプロジェクト進捗が見えるようなツールにまとめた結果、職種間の連携がよりスムーズになるようになりました。

ATSUSHI:
GUCHIさんのフロー設計はディビジョン内でも共有してもらったので、新規プロジェクトでフローを作る際にも参考にさせてもらいました。ある程度、フローをフォーマット化することで、職種を超えての共通言語ともいえるものを作ることができるので、非常に役立ちましたね。

TAICHI:
サービスの方でも、共有していただいて、自社サービスの運用の参考にしています!

TSUTOMU:
GUCHIさんのおかげでデータ蓄積もできるようになり、ディビジョンとしてもフローの定型と言えるものが出来上がったので、DMとしても感謝しています。

GUCHI:
育成の部分に関しては、プロジェクトメンバー、新卒の両方に伝えていることですが、「プロジェクト毎のルールをしっかり教える」ということを心がけています。

「運営中のゲームプロジェクト」といっても、プロジェクトによって、個性があります。IP案件なのか、オリジナルなのか、ジャンルはファンタジーなのか、バトルなのか、ホラーなのか、対象は女性向け、男性向けどちらなのか、などテイストは本当に様々です。
そのプロジェクトのテイストごとに表現の仕方、ルール、あらゆることが異なってくるので、まずは「違う」ということを理解してもらった上で、この場合はどうすべきなのか、というのを考えてもらうようにしています。

特に新卒メンバーに対しては、まずは基本的なルールを教えた上で、プロジェクトを基にテーマを設定し、実際に制作してもらい、それに対してフィードバックしています。
フィードバックは「デザインを作る上で、何を伝えたいのか」という軸で指摘を入れることが多いですね。
例えば、「この場面では恐怖や臨場感を伝えたいのに、キラキラした星とかは使わないよね」というような感じです。

また情報のコントラスト、つまりどの情報を優先させるのかという点も意識してもらうように伝えています。これはテクニックの一つで、要望を全て同じ濃度で盛り込むと、画面がごちゃっとしてしまうので、盛り込む情報に優先順位をつけて、一番伝えたい情報を目立たせるように表現するというものです。

プロジェクトの実務では、企画側からは「どの情報も伝えたい!」と言われることも多々あるので、その場合はこちらから見せ方のテクニックの話をしながら提案していく機会も多いです。
一つ一つのアドバイスは小さいものですが、それに気づけるか気づけないか、意識も持って制作ができるかどうかは、UIデザイナーとしての成長に大きく関わってくるので重点を置いています。

デザイン的なテクニック、提案のテクニックどちらも兼ね備えたフィードバックをされているのですね。
皆さんプロジェクト毎に業務内容や育成方法は少しずつ違うものの、根底には「職種間に介在し、連携しながら、知見を基に提案する」という点が共通しているような印象を持ちました。

TSUTOMU:
そこがUIデザイナーの存在意義の根幹ですからね。

TAICHI:
僕はいつも自分たちを「界面活性剤」と表現しています(笑)水と油の仲を取り持つ、みたいな。

ATSUSHI:
「緩衝材」じゃないんだね(笑)

TAICHI:
緩衝材は2つのものの衝撃を緩和するものだから。異なる性質の境界に介在して、それらを混じり合わせることができるという意味で、「界面活性剤」です(笑)



新しくUIデザイナーを採用するとしたら、どういう方だったらUIデザインディビジョンで活躍できるでしょうか?

TSUTOMU:
今どきだと当たり前のことかもしれませんが、求めているのは、絵を描きたい方ではなく、設計をしたい方ですね。
普段からメンバーに一番大事なこととして伝えているのは「プロのUIデザイナーになりたいなら、グラフィッカーにはなるな」ということ。
これはグラフィッカーを軽んじているというわけではなく、必要とするスキルセットや領域の違いです。

ソーシャルゲーム業界の初期からバブル期に間に、グラフィッカーがUIもついでに担当するといったことがよく行われてしまい、UIデザイナーは2Dデザイナーという括りで、イラストレーターやグラフィッカーと同じような職種と思われるようになってしまったのですが、本来のスキルセットは違うところにあります。

学生やデザイナーを目指した頃からUIデザイナーをやりたいっていう人は少なくて、色々経験していくうちに、デザインとは情報や意識操作を設計する事なのだなとなんとなく気づき始めて、気づいたらUIデザイナーになっていたといったケースが多いような気がします。
経験を重ねていくことで、知見・スキル・勘所・ノウハウ等が蓄積されていく職種でもあるので、今まで絵を描いてこられたという経験はもちろんマイナスになることはなく、むしろプラスに活かせます。

素晴らしいUIを作るために、イラストレーターやグラフィッカーの方と連携することはもちろんありますし、兼務的に実務を行う場合もありますが、少なくともトライフォートのUIデザイナーには、設計に重きを置きたいという志向の方であってほしいと思っています。

あと、よく「オシャレなものを作りたい」という方もいらっしゃるのですが、基本的に「オシャレな雰囲気を作り出せるように」というだけの育成はしていません。
しっかりバランスを考えて設計されたレイアウトは、勝手にオシャレになります。例えば、読みやすさや見る順番をしっかり工夫されて配置された文字は、それだけで美しくレイアウト上に存在させられます。
センスみたいな雰囲気寄りの内容に関してはそういった育成をしています。
教えているのは設計方法です。いわゆるセンスは結果として形付いていくものなので。

TAICHI:
全てのデザインに意味を持たせるっていうのが大事ですね。
良いデザインってそういうものだと思います。

最後に、組織として今後目指していきたいことがあれば教えてください。

TSUTOMU:
時代に合わせて、最新のデザインはどんどん変化していきます。
近年は特に非常に早いスピードで流行が変わり、デザイナーに求められるものも日々変わっているので、そこにしっかりついていきながら、デザインのクオリティを高めていきたいと思っています。

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