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「おサイフに身分証がいらない、デジタルアイデンティティの世界」をテクノロジーの力で実現する~株式会社TRUSTDOCK・CEO千葉が描く未来~(前編/事業領域編)

弊社TRUSTDOCK(トラストドック)は、日本で唯一の本人確認やKYCの専業会社です。KYCとは「Know Your Customer(顧客確認)」の略で、マネーロンダリングなどを防止するために、口座開設時などに本人確認を行うことを指します。オンライン完結のデジタル身分証アプリをはじめ、割賦販売法、古物営業法、携帯電話不正防止利用法、出会系サイト規制法など、様々な法律に準拠したKYC、つまり本人確認を、API経由で24時間365日、アウトソーシング可能です。

私たちは特にFinTech領域など、法令や規制が多い業界を中心に、それらをテクノロジーで解決する領域「Regulation × Technology」であるRegTech(レッグテック)として注目されています。おかげさまで近年では、日本の2大FinTechイベントである、日経&金融庁主催の「FIN/SUMxREG/SUM 2018」でダブル受賞、ISID主催の「FIBC 2019」でもダブル受賞させていただきました。両方でダブル受賞する企業は初めてらしく、皆さんからの期待を感じております。古巣からスピンアウト後、正式に事業開始してから、ちょうど1年になりますが、RegTechが注目されるということは、社会のデジタル化が進んでいる証拠で、弊社一同、嬉しく思っています。

一方で「何をしているか分かりにくい」という声もよく届きます。そこで、CEOである千葉孝浩がインタビュー形式で解説しました。

前編では、なぜTRUSTDOCKが、例えば海外送金の「TransferWise」や、買取アプリ「CASH」、オンデマンド人材マッチング「シェアフル」など、業種・業界をまたいで支持されるのか、そして世界的な社会問題を解決する可能性とは何かを紐解きます。

後編は千葉のキャリアからTRUSTDOCKの組織論と採用論になります。

TRUSTDOCKには、「今の時代に」求められている理由がある

千葉:KYCは「Know Your Customer(顧客確認)」の略で、口座開設時などの本人確認を行うことです。私たちはその本人確認業務をAPIソリューション化することで、デジタル上、またはネット完結できるオンラインサービスです。他にも、皆さんが思っている以上に本人確認が必要となる場面は数多くあり、これからますます私達TRUSTDOCKは求められていくでしょう。

皆さんもクレジットカード発行や証券会社、仮想通貨取引所で口座開設をしたり、フリマアプリやマッチングアプリなどのCtoCサービスで、身分証をアップロードする本人確認を求められたことがあるのではないでしょうか?金融取引はもちろん、仮に法律要件がない取引であっても、非対面のオンラインサービスでは、安心して取引するために、本人確認が必要とされています。

これまでのリアルでアナログな取引時では、「対面且つ目視で本人確認」していたので、私達はその本人確認行為があまりにも無自覚な所作すぎて、誰もお互いに本人確認していたなんて気づきませんでした。でも同じ取引なのに、それが非対面のオンラインになるだけで、急に「本人確認」がプロセスとして可視化されたのです。あらゆる取引でそこに課題感が生まれています。本人確認専用のオンラインサービスは時代の要請でもあります。

そして時を同じく、超高齢社会の日本ではどの会社も人材不足であり、24時間365日、社内でスタッフを抱えて本人確認することも物理的に不可能になりつつあります。さらに本人確認は重要な業務のため、正確性が求められます。

私は常日頃、思うのですが、例えば電車の運行は、時刻通りに運用しても褒められず、遅延するとみんなから怒られる、いわば減点式の業務です。世の中には加点式の業務と減点式の業務があり、本人確認は減点式の業務です。「できても褒めれれず、ミスすると怒られる」業務です。減点式の業務は、すべからく、携わっている人のメンタルが疲弊する業務です。世の中でうつ病がこれだけ増えているのは減点式の業務だらけだからです。


――「本人確認業務は増え続ける」ことと、「本人確認業務は減点式で評価される」ということに気づいたんですね。

千葉:そうです。もう一つの特徴としては、本人確認は法律要件を満たすプロセスなので「どの会社でも原理原則としての業務内容は同じ」なのです。今この瞬間も、全国のあらゆる会社で、メンタルが疲弊する本人確認業務を重複して行っています。ただでさえ、労働力不足の日本において、社会全体の生産性を上げることは急務であり、今後、増え続けるオンラインでの本人確認に対して、これまで通りカスタマーサポートやバックオフィスにやらし続けるわけにはいかないと考えています。

ーーテクノロジーで解決のしがいがある分野ですね。業務の重複がなくなることで、企業にとってどのような変化が起こるのでしょうか?

千葉:企業は事業のコア・コンピタンスである部分に、開発と人の両方のリソースを集中できます。スタッフは加点式の業務、例えばユーザーへのホスピタリティのあるご案内やクレーマーをファンにするといった業務ですね。つまり、本当に時間を使う業務にリソースを投資できるようになるんです。

「API商社」という事業モデルが実現する価値とは何か

千葉:これまでのリアルな世界でも、実は意外に本人確認させられていました。例えば、コンビニでアルコール買う時に、画面をタッチする年齢確認してたり、レンタルビデオ屋で会員カードをつくる際に、一瞬、免許証を見せたり。ただ、体験として、無自覚すぎて、事業者側も含めて本人確認している感覚が薄いと思います。でも、これがオンラインになると、「免許証画像をアップロードする」等、急にプロセスとして可視化されるので、すごく面倒になる。私達TRUSTDOCKは、こういった「手続きや取引がデジタル化することで、新たに生まれた生活者にとっての不便や不満」を解消していきます。

――「本人確認における生活者にとっての不便や不満を解消する」ということは、領域はひとつの業界に留まることはなさそうですね。

千葉:そうですね。FinTech領域に限らず、TRUSTDOCKは幅広い業種のお客様から支持していただいています。チケット二次流通や人材派遣、MVNOにCtoCのマッチング等、業種業態を問わず、導入いただいています。


――エンタメ領域から人材領域までと幅広くカバーされていますね。

千葉:法律要件がなかったとしても、本人確認が求められるケースも多いです。例えばカメラマンとモデルのマッチングサービスでは、お互いに「誰と会うのか分からない。どんな人か分からない。」という不安があり、プラットホームに登録時に本人確認することで、不安の解消に努めています。シェアリングエコノミーやギグ・エコノミーと呼ばれる、CtoCのマッチングサービスは今後も増えていくので、ますます本人確認が多くなります。

他にも働き方改革や副業の文脈でリモートワークが進んでいく中で、オンライン越しに本人であることを証明する機会が増えると考えています。こういうオンラインでの不安や本人であることの証明の困難さがネックになり、サービスがスケールしないということもあるんです。TRUSTDOCKは法律要件で本人確認が義務付けられている領域だけでなく、「誰なのか分からない不安」や「本人であることの担保が必要」なケースはすべて市場となるので、市場規模は想像以上に大きいですね。

――「API商社」という事業モデルを採用している理由はどこにあるのでしょうか?一つのサービスを提供する形の方がコストを下げられるように思いました。

千葉:お客様からお問い合わせをいただいた時に、私たちは必ずお聞きしていることがあります。それは「何の法律に準拠する、どういう事業ですか?」というものです。どういう業法なのかによって適切なソリューションが異なるからです。だからこそ、私たちはAPI商社として、多種多様なeKYC/本人確認のサービスを並べて、企業様ごとに異なる法律要件や事業環境に応じた最適なソリューションをご提供できるようにしています。単一のサービスではお客様のニーズに答えることができないんですよ。

ーー唯一のサービスをつくっているとホームページにも書かれていますが、現時点では競合はいないということでしょうか?

千葉:よく「御社の競合は?」って聞かれますが、いつも「いないです。」と答えてます。それぞれのソリューションごとの局所的な競合はいますが、弊社はAPI商社なので、競合する企業はパートナーでもあると考えています。本人確認に必要なソリューションを持っている事業者がいれば、まず最初に頭に浮かぶのは、『お互いを組み合わせたコラボ製品を開発できないかな。』ってことです。本当の競合は、事業者側の「内製化・自前主義」のマインドセットやカルチャーです。

そもそも本人確認やKYCの専業会社は私達だけですし、今はまだオンラインでの本人確認をアウトソーシングする市場自体をつくりにいっている段階です。正しく市場形成されるためには、もっと参入してきて欲しいなとも思っているんです。ただ、なかなか参入障壁が高いんですよね。なぜかというと、個人情報を取り扱うので、保護の観点からリスクも大きいのでそれなりの覚悟と準備が求められます。あと非常に地味な領域です。キラキラ輝くのは接続するサービス事業者側で、私達は黒子な存在です。私たちの役割は、TRUSTDOCKを導入した企業が、サービスを順調にスケールできる支援をするだけです。

海外からも多数のお問い合わせが。本人確認は世界中で共通する大きな課題

ーー今後はどう展開していくのでしょうか?既にRegTech(レグテック)領域で独自のポジションを確立しているようにも見えます。

千葉:そんなことはないです。確かにファーストムーバーですが、まだ独立して一年の会社です。私達は「身分証のいらない未来」を描いています。今はキャッシュレス化が進んでいて、「現金のいらない」未来に向けて、みんなが一丸となっていますよね。お財布から現金がなくなったら、いよいよ最後に残るものは身分証なんです。そこで身分証もなくせたら、お財布を持たずに生活ができるようになります。スマホ一つで完結するようになれば、私達の生活はまた一段、先に進むと考えています。そして最終的には、労働集約的な本人確認という業務を完全になくしたいです。今取り組んでいる本人確認というビジネス自体がなくなることが最終目標ですね。その時には弊社も別なビジネスをしています。


――そのためには、現在はどんなことに取り組んでいるのでしょうか?

千葉:「身分証撮影専用のカメラアプリ」を開発しています。オンラインでの本人確認時に、私たちのカメラアプリと連携していただくと、様々な法律要件を満たした本人確認が簡単にできるようにしていきます。いわゆるeKYCのソリューションです。

背景には昨年改正された「犯罪収益移転防止法」があり、法律自体に「専用ソフトウェアで撮影」という要件が盛り込まれています。その専用ソフトウェアを広く提供します。

eKYCを実現するための法律要件は複雑で、今後も改正が行われ続ける領域ですが、私達は法律に最速で対応しつつ、あらゆる事業者が簡単にeKYCの手法を使えるように、ソリューション提供していきます。

――日本国内で「身分証のいらない未来」を目指すだけでなく、既に海外においてもサービスを提供されていますよね?

千葉:実はデジタルアイデンティティの課題は世界規模かつ、大きな社会問題でもあるんです。例えば難民やアジアの貧困国において銀行口座を持つことができない人は十億人以上いると言われています。

この世界規模のunBanked問題は、その根本をたどっていくと「身分証を持っていない」という原因に行き当たることも多いです。身元の証明ができないから、銀行口座がつくれない、という構造があるため、unBanked問題はunIDed問題とも言えます。

だからこそ、日本のみならず世界中のunIDed問題にも貢献したいです。実際、既にシンガポールの企業にもご提供していますし、今後も世界をフィールドに展開していく予定です。

 身近な例で言えば、皆さんが海外の銀行で口座を開設する際に、私たちの身分証アプリによって簡単に口座がつくれるようにしたいです。あとは飲食店に入る際のパスポートの提示も、スマホ一つで完結するような世界にしたいですね。

ーーありがとうございました。次回はTRUSTDOCKの人、組織についてお聞きします。

【参考インタビュー】

「おサイフに身分証がいらない、デジタルアイデンティティの世界」をテクノロジーの力で実現する~株式会社TRUSTDOCK・CEO千葉が描く未来~(後編/人・組織・採用編)

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